■ 火星接近とマスコミ
今年の8月27日に火星が大接近を迎えます。 79年ごとに大接近を迎えていますので、前回は1924年だったと思います。 実際には約2年2ヶ月毎に接近を繰り返していますが、火星の軌道のゆがみが大きく、最も近い地点での接近を迎えるのが79年ごとということになります。 79年ごとの接近でも今年の接近は近年まれに見る接近を迎えます。 マスコミでは5万7千年ぶりの大接近等とセンセーショナルに伝えていますが、実際には視直径の差が極めて僅差なのに数万年ぶりと言うことだけを誇張してしまっています。
79年前の大接近でも今年と比べて視直径が(角度にして)100分の1秒小さかっただけで、数値的には、ここ2000年(過去未来ともに)のうちでも最も接近するのですが、距離にして数万キロ、視直径の角度にして1秒の100分の1程度の差の話です。
この僅差は大型の望遠鏡を用いても分からないほどのものであるにもかかわらず、マスコミではセンセーショナルに報じられています。 接近が近づく7月〜8月にはさらにオーバーヒートしてくるのでしょう。。。
火星接近による観測メリットなどを報道するのではなく、こうした微少な差である数万年ぶり等というスケールにだけ飛びつくように報道する姿に、ジャーナリストの精神など微塵も感じられません。 こうした報道の体質を何とか改めて頂きたいものです。
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